原料の乾燥ミミズ粉末

ミミズ医薬品やミミズ食品が開発されて以降、それらの原料となるミミズ乾燥粉末を製造する際に、ミミズ体内の糞や土、有害物質を多く含む体腔液、そして細菌をミミズ体内から除去する方法が課題になっていました。

ミミズ体内の糞土や体腔液には、土壌中の細菌や腐葉土などから吸収された有害物質が含まれています。これまでのミミズ乾燥粉末の製造技術では、これら細菌や有害物質を取り除くために、まずミミズを明るい場所に長時間放置し、その後クエン酸などの酸に浸すことで、糞土、体腔液をミミズ体内から除去する方法を取っていました。
しかし、ミミズの育成中に土や餌を介して体内に蓄積される菌や有害物質の量は多量ですから、これまでの除去方法では、ミミズに蓄積された細菌や有害物質を十分に除去することは容易ではなく、糞土除去後のミミズの体内でも、まだ菌や有害物質の残留が認められました。

さらに、ミミズを明るい場所で長時間放置する工程は、除去処理に非常に時間がかかってしまうという問題がありました。ミミズには多量の酵素が含まれるため、死亡すると有効成分が分解されてしまい、薬理作用が低下する特性があります。そのため、ミミズ体内からの糞土や体腔液の除去工程においてミミズを殺さないようにする必要があるのですが、長時間の工程や酸による強いダメージでミミズが絶命しやすく、これにより薬理作用が大幅に低下してしまう問題が起こっていました。