西洋医学でのミミズの血栓溶解成分発見の歴史
西洋医学でのミミズの有効性発見の歴史は、19世紀末のFredericqがミミズの有効性を初めて科学的に評価し、その後ルンブロフェブリンの解熱作用の発見、そして美原恒博士の血栓溶解成分「ブンブロキナーゼ」の発見へとつながりました。
土を掘れば顔を出す身近な生き物ミミズ。
土の中の有機物を分解して土を肥沃にたがやしてくれる、お掃除係のようなありがたい生き物です。
実はこのミミズ、土の中だけでなく、私たちの身体の血管も掃除してくれることが分かってきました。
東洋医学ではすでに、解熱剤や中風薬(脳卒中の治療薬)など漢方薬として重用されています。
ミミズの有効成分について科学的な解明をはじめておこなったのは、1915年田中伴吉らによって東京醫學會雑誌に報告された解熱作用を示す「ルンブロフェリン」の発見でした。1989年には旧宮崎医科大学の美原らによって、西洋赤ミミズに高い線溶活性、つまり、血管の中に溜まった不要な血栓を溶かす働きがあることが分かりました。
この線溶活性を示す成分は酵素の一種であり、「ルンブルキナーゼ」と名付けられました。
その後今日に至るまで、血管の拡張作用、動脈硬化の改善作用、血圧降下作用、血糖降下作用など、人間の体に有効な様々な働きが解明されています。
気持ち悪いというイメージのあるミミズですが、私たちの健康と未来を担う救世主になる可能性を秘めているのです。